2014年11月10日

もやもんツアー✩レポート(後半)

もやもんツアー、後半も密度濃いですよ。

お昼休憩のあと行ったのは
縫いの池(白石町)

白石町は田んぼがでーんと広がっていて
山のきわに民家が集まっているところをくねくね入っていくと

とつぜん現れました。


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なんだこの神秘的な風景・・!

二本のメタセコイア、銀杏、クスの木が、シンメトリーに生えています。
それが水面に映って、いっしょにいた宮田君も「アンコールワットみたいやね!」


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弁財天さんの神社があります。


この池の水は湧水で、古くから人々の暮らしに使われてきたそうですが
昭和30年頃に、大量の地下水を飲料水と農業用水として汲み上げるようになって
水が湧かなくなって、池は枯れてしまったそうです。

それから40年。
地下水の汲み上げがなくなった2001年4月頃、再び水が湧き出てきたそうです。

住民の方たちは、水が枯れてしまった池を
潰して駐車場にしようかとか、いろいろ考えたそうですが
潰さなかったからよかった、とおっしゃっていました。


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ちょうどこの日は池のそばの公民館で
おじいちゃん達がグランドゴルフの打ち上げの宴をひらいていて
島谷さんとの再会に、お互いすごく嬉しそう。

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おじいちゃん達みんな超フレンドリーで
私たちにも、あがんなさい!食べんしゃい!どこから来たね?!とグイグイ話しかけてきてくれます。
ちなみに、島谷さんはここで何をされたんですか?って訊いたら
「勇気づけました。」だそうです。(笑)

湧き水が出はじめた時に
スゴイですよ!素晴らしいですよ!と励まして、このことを他所でも話して紹介して。
でも大事なことですよね。
自分たち(の地域)がもとから持ってるものの価値ってなかなか気が付けないけど
よそから来た人が褒めることで、自信が持てる。

おじいちゃんたちが、いいところやろう〜!と、この池を誇りに思っているのが感じ取れました。
「もうちょっとしたらまた来んしゃい。紅葉してキレイかけん!」
シンメトリーの銀杏は鮮やかな黄色になるんだろうな〜。





ツアー最後は
石井樋(いしいび)
(大和町)

ここはスケールが大きすぎて、カメラにも収まらないし
ここのすごさをどう伝えたらいいんだろう・・

ここも成富兵庫さんがその昔造られた、治水と利水を兼ねた事業で
350年もの間ずっと、佐賀城下に水を送り続けてきたそうです。
昭和35年頃から一時使われなくなっていましたが、2005年に復元されたそうです。


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背振山から有明海に流れる嘉瀬川。
石井樋は、この川から田布施川に水を分ける井樋(水門)のことですが
洪水を受ける遊水地と堤防、流れを緩和する構造物、
砂を取り除いたきれいな水を送るための構造物など
さまざまな工夫が盛り込まれているこの複合施設?全体の呼び名にもなっています。



まずこの堰で、水をせき止めて

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堰にぶつかり、逆流した水はこちらへ導かれます。

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向こう側の細長く飛び出ているのが「象の鼻」で
砂を多く含む水を、川の中央に押しやっています。

で、堰にぶつかった水は逆流して
象の鼻の内側へ入り
手前の「天狗の鼻」との間に導かれながら井樋の方に送られます。
この形は急な流れを緩やかにするための工夫だそうです。

象の鼻の付け根のところは一段低くなっていて「野越」(のこし)と呼ばれます。
洪水で水が増水したときは、水がそこを乗り越えます。
乗り越えた水と、逆流してきた水がぶつかって、流れの勢いが弱まります。

平常時は、水が堰にぶつかって流れが逆流することで、川の砂が川底に落ち
洪水時は、野越を越えるときに、砂の混じらないきれいな水だけが越えていくというしくみ。
砂が多く混じる嘉瀬川の水を、飲料水としてきれいにして送るための工夫です。

↓図解(クリックして大きくなります)
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↓これが分けられた水を田布施川に流すための「石井樋」
手前が復元された昔の石井樋
向こうにあるのが現在の井樋
必要な分を取って余った水は、また本流に戻されます。

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最後に水ものがたり館に入り模型を見ながら石井樋のおさらい。
床一面の大きい佐賀の地図があって
ここで分かれて、遠く離れた佐賀の街まで送るんだね〜〜!
と感慨深く眺めたり
石組みのレプリカも!
土木萌えにはたまらんですヨ!

昔の石井樋の絵があって、今も石井樋を囲む公園になっているけど
昔も桜の花が咲いていて、茶屋があって、人々が憩っているようすが描かれていました。

島谷さんがそれをさして、
「これですよ。こうしたいんですよ!」
「わ!いいですね!これ」
「やっぱ団子屋すよ!」
「うん、団子屋だよね!」

と、ワクワクは続くのでした。。



















posted by egri at 01:47| Comment(0) | 日記

2014年11月09日

もやもんツアー✩レポート(前半)

昨日はもやもんツアーに参加してきました。
ガイドは最近話題の?!島谷幸宏教授ですヽ(・∀・)ノ
※もやもん:佐賀の方言で「おもやい」=「いっしょに」とか「共有する」

川の専門家しまもんに案内してもらう、水を巡るツアー。
かなりマニアックで盛りだくさんで濃ゆ〜いツアーでした!

まず訪れたのは、アザメの瀬
(唐津市松浦川)

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昔からあるようなこの自然の風景、
これが島谷さんが関わられた自然再生事業なのだそうです。

毎年のように氾濫していたこの川に
はじめは堤防をつくって、
よくあるサッカー場などの広場にしようという計画だったそうなのですが
逆の発想で、地面を掘り下げて、
洪水時には水を引き込んで遊水池となる湿地が造られました。

整備前〜後.JPG


5.5mも掘り下げて工事している当時の様子を見たら
しぜんはかい?とおもったかもしれません。
地元住民の方も本当に自然は戻ってくるの?信じられない、といった様子だったらしい。
掘削工事からおよそ十年。
自然は戻ってきていました。

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湿地に足を踏み入れてみました。

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はじめに柳を植えただけだそうで、あとは植物も生物も、勝手にやってきて生態系をつくっています。

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網ですくってみたら、タニシ、二枚貝、小さいエビ、ザリガニ、メダカ、ヤゴ・・・
すぐにいろんな生き物が捕まえられます。
生きてるのは見つけられなかったけど、直径15センチくらいの大きな二枚貝もいます。
それにしてもこういう場所は血が騒ぐな〜!


ほぼ毎年おこる川の氾濫。
洪水を防ごうという発想からみたら「災い」だったけど
自然が行きたい方向に行ってもらう、そのサポートを人がやったら
洪水によって上流から植物の種が流れてきて根付いたり
魚が湿地に産卵に来たり
洪水が「恵み」となりました。

氾濫原的湿地.JPG


ここのもうひとつすごいところは、この川づくりが地域住民参加で
何度も何度も話し合って、みんなですすめられてきたことです。

気が付けばいつのまにか
子供の頃に遊んだ川辺や海辺は、どこもコンクリートで覆われていて
誰が決めたん?! て思うのですが
専門家はアドバイザーとして、住民主体でできるんだ!という良い前例がここにありました。
実際に、この地に長く住んでこの土地のことを熟知している方の意見がすごく役にたったそうです。



馬の頭(うまんかしら)
(伊万里市)

ここは400年前に作られて今もバリバリ現役の水路
島谷さんのライバル?成富兵庫さんが造った水路です。

まず案内されたのがここ。
???
※写真の水路の水は左から右に流れています。

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不思議な光景に、一瞬アタマがフリーズしました。
とうとうと流れてくる水は一体どこから・・?
流れる元をたどろうとしても、この先は大きな川が数メートル下に横たわっているだけです。
教授の説明を聞いても、アタマの回転の遅い私は理解できず。

「わかりましたか?」
「わかりません。」
「じゃ、あっちに行くしかないね。」

そう言うと教授は川原に降りて、靴と靴下をぽいぽいっと脱ぎズボンをまくると
ひょいひょい川を渡っていきました。(いつも速い!)
私たちも慌てて後に続きました。


(これは帰りの図)
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なんとこの水路、高いところから引いてきてドーンと川の底に落ちて、川の下をくぐって
川向こうに上がっているのです。
逆サイフォンの原理です。
伏越(ふせこし)とも言われるそうです。なるほど伏せて越してるね〜!

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今はコンクリートの管が通っているそうですが昔は木で作られていて
毎年交換していたそうです。

すごすぎる。

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しかも流れる力に壊されない工夫が↑すごい↑
一本の管にしないで連結管にしたっていうのが日本的な気がします。
自然の力に対抗しないで、受けられる遊びを設ける。
アザメの瀬も然り。

いいなー。かっこいいなー。

はぁ〜 でも川の下を水路が通るなんて発想。。
400年前の成富さんスゴイ。
シビレました。

再び水の出ているところに戻ってまた感動。。
なにげに遡ってる水路。ここを田んぼの時期は水が上っていくのです。
エッシャーのだまし絵みたいです。

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昔の人はなんでこんなの造ったんですか?!
と我ながらアホな質問してしまったんですけど
川のこちら側には水がなかったから。

ここは大きく川が蛇行していて、蛇行するカーブの外側に位置するこの一帯には、
川からなかなか水が引けなかった。

人がここでお米をつくって生きていくために。
鹿島の嶽水道もそうですが、そうやって水を引いてきて、村ができる。
そのシステムは今も変わらず使われている。
凄いな〜〜〜!

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で、来た時は何も思わなかった田んぼ見てまた感動。。



ここまででもじゅうぶん盛り沢山なんですけどまだまだ前半おわったところ。

お昼は「つちのや」さんにて美味しいカレーを食べて、後半に続きます。。。

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とってもかわいい佇まいのつちのやさん











posted by egri at 17:42| Comment(0) | 日記

2014年10月21日

たんじゅん隠岐島ツアー

10月は盛りだくさん。
いろんなことがあって流れに乗るのが精一杯です。

10月4~6日はたんじゅん隠岐島ツアー
ウチの今の状況(配達をお休み中)を考えると、常識では行かないし行けない、と思う自分もいつつ、
どオーしても「行き」でしょう!これは!という自分の中のつよい声もあり、そっちに従いました。

そして、ほんとうに周りの方々の「お陰様」で、行くことができました。
ありがとうございました。m(_ _)m

隠岐島ではニホンミツバチの養蜂をされている「ワミツヤ」さんを訪ねました。
畑の作業も皆でできました。

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養蜂のお話を聞いておもったこと。
ミツバチを見ているけど、同時に見ているのは、視点をぐぐーっと引いて
その土地の植生、地形、地勢、水、日、風、気、人・・・・
ミツバチはそれらの現れ。
畑でも、同じだなぁ。
作物は、その土地のいろんな要素の現れ。
作物だけを分けて見ても、わからない。

生きているハチミツ。
ほんとうに生きていたんだ。ハチミツって。
今まで、蜂の産物「もの」として見ていた。
丁寧に管理・発酵したハチミツの味の、やわらかいこと・・・やさしいこと・・・

(ふつうは、ハチミツを発酵させたら風味が落ちる、といわれています。
たしかに温度湿度など考えずに置きっぱなしにして発酵が急激に進むと風味は落ちます。
が、ワミツヤさんのはちみつは、蜂蜜の中に生きている、いきものの側になった発想で管理されています。)


発酵とはなんぞや?
ハチミツに限らず、いろんな食品の発酵を止めるために、市場に出す前に「なにか」(加熱殺菌など)してるわけですが
それは=「殺し」ということ。
なぜ発酵を止めるのかというと、均一さを求めるから、ということですよね。
これからは、はたしてそれが必要か?という流れになるかもしれません。
均一で死んでいるもの、
生きているから変化するもの。
変化を困ったこととるのか、
変化を味わい、楽しむのか。

楽しいほうがいいな。
美味しいほうが、いいな。

連れて帰ってきた隠岐島のハチミツ。
小さないきものが呼吸できるように、蓋はゆるく 締めてあります。
そーっと蓋を開けて、匂いをかいで、ぱく。
隠岐島を、食べる。のであります。
「ありがとう」が しぜんに出てきます。




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あいかわらず、写真あんまり撮ってないので、誰かさんのもらいますー。

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